第29章 休暇5日目*
side.五条悟
名前の額に乗せていた氷水が温くなった。
もう大丈夫かな?
「まだ頭痛むかい?」
「んー。もう平気だけど、このままでいたい」
「そっか」
君が素直に甘えてくれるのは、嬉しいね。
この部屋もデザイナーさんや職人さんが駆使して作った、ガラス張りで。
森林浴してるようなもんだしね。
大好きな君と、このままでいるのは気分がいいよ。
「ねえ?悟さんは夢ってある?」
「うーん…夢ねぇ…」
「例えばさ。蓮と心が独り立ちしたらさ、私たち2人になるでしょ?その後は何かしたい事って、ある?」
「そうだね。先ずは心が連れてくるボーイフレンドは、全員ボコボコにするね」
「ははっ!そんなことしたら嫌われちゃうよ?」
「僕より強い男じゃないと、愛娘はあげられないからね」
「それは分かるけどさ。悟さんより強い人なんて、そうそういないでしょ?」
僕の額にピシッとデコピンをする名前。
「じゃあ、僕に10回ボコボコにされても挑んでくる根性がある子ならいいかな?」
まず、そんな子はいないと思うけどね。