第28章 休暇4日目*
「今日のお召し物。とても素敵ですね」
「一応、PR●DAなんです…。なんかセレブっぽくて、私には不釣り合いなんですけど」
「大丈夫。名前さんは似合いますよ」
「そうかな?ありがとう…ございます」
真っ黒で、海外ドラマに出てきそうなセレブ服。
着る機会なんて。
一生ご縁はないと思ってたのに。
でもスタイリストさんのおかげで、この服に似合う女性に慣れた気がする。
「あとは、必要なのは自信です」
「自信?」
「そうです。ほら。とてもおキレイですよ」
うわぁ…
自分でも驚く。
凄くキレイにして貰えた。
肩を掴まれて、胸をグイッと突き出す姿勢にされる。
「この数日。ありがとうございました」
「いえ。私も五條様のケアができて、とても楽しかったです。またのお越しをお待ちしております」
「はい。機会があったら、またお願い致します」
この数日お世話になったスタイリストさんに、お別れを告げる。
寂しくなるけど、仕方がない。
「ただいまー」
「………」
声が聞こえない。
ベッドを覗くと、悟さんは未だ夢の中にいる。
可愛い私の小悪魔にキスをした。