第4章 婚約
私達は本土のブランド物が並ぶ広場へとやって来た。
「名前。これなんか良いんじゃない?あー。でもこっちの方が可愛いかも」
「いやいやいや!桁!桁が違うから!」
「えー!僕、そんな甲斐性なしに見えるの?」
「いや!そういう問題じゃなくて!」
店内なので小声で異議申立てをするが、何せ相手は自由人。
私の言葉は尽く悟さんに却下されてしまう。
「やっぱりこれが良いね」
「ええっ!?ちょっと待って!」
ダイヤモンドだよ!?
何考えてるの!?
「お姉さん、このリング下さい。名前、指何号?一応測って貰う?」
「えっ?あ、うん。じゃあ…お願い…します…」
根負けしてしまった。
私が指輪のサイズを測って貰っている最中。
彼はもう違う物を見ている。
えっ?
まさか…
まだ買うの?
何か嫌な予感がするんだけど…
「お姉さーん。このペアリングも見せて♡」
「はい。只今」
予感は的中した。
もう諦めよう。
私は次々と買い与えられた。