第25章 休暇1日目
久しぶりのご馳走に涎がでそうになる。
前菜も美味しいけど。
目の前でジュージュー焼かれるとね…
今なら犬の気持ちが分かるよ。
鉄板焼きのステーキなんて、いつぶりだろう?
悟さんと出会う前だし。
もう数年食べてない。
早くメインが食べたいな。
「奥様?」
わくわくしていると悟さんが上品に私を呼ぶ。
「ん?何?」
「そんなにそわそわしないの」
笑顔で諭される。
私そんなに態度にでてた?
恥ずかしい。
「それにしても、悟さんってほんとにモテるね」
耳元でこっそりと話す。
さっきから色んな人が、こっちを見てる。
「ははっ。僕じゃないよ。君を見てるんだよ」
「えっ?私?」
「うん」
「何で?そわそわしてたから?」
顔から火が出そう。
「違うよ。君があんまりにもキレイだからさ♡」
「嘘だー」
「本当だよ」
“どくんっ”と心臓が高鳴った。
そんな艶っぽい目で見つめないでよ。
フォーマルにきめてる悟さんは、心臓に悪いから。