第23章 衝突
side.五条悟
未だボーッとしている名前の携帯が鳴った。
名前は鞄からスマホを取り出すと、僕の手に預ける。
ん?
母さん?
じゃあ、名前が行こうとしてたのは、僕の実家?
「もしもし」
『もしもし。あら。その声は悟さん?今から迎えに行こうと思ったのだけど、その様子じゃ大丈夫かしら?』
「いや。良かったら1、2週間、蓮と心だけ預かって欲しいかも。名前とゆっくりしたいし」
『あら。まだ喧嘩してるの?』
「喧嘩っていうか、名前が疲れてて。だから少し時間が欲しくて」
『分かったわ。じゃあ今から迎えに行くわね』
「うん。宜しくー」
電話を切ると、名前たちを一旦部屋に戻す。
暫くすると携帯が鳴った。
迎えのお知らせだね。
「名前。僕、蓮と心を母に預けてくるね?」
「あ、うん。お義母さんに宜しく言って?」
通路は破壊しちゃったから、名前は行けないしね。
僕は子供達を送り届けると、抜け殻の名前の元に戻った。