第23章 衝突
洗濯もできるし、服は4組くらいでいいかな?
用意をしていると、悟さんが部屋に入って来た。
「えっ!?名前、何してるのさ!?」
「出て行くの」
「名前っ!待ってよっ!話そう!?」
「何を?」
「まだ怒ってるんでしょ?謝るから!ごめん!だから出て行くのだけはやめてよ。君らは護衛つけないと危ない立場なんだよ?」
「知ってる。でもご心配なく。護衛はついてるし、いざとなれば蓮は空を飛べるしねっ!」
最後のは皮肉だ。
「ごめんっ!僕が悪かったよ!」
「知りません。もう愛想が尽きたの」
「ごめんってばっ!僕を捨てないでよ!」
抱きついてくる悟さん。
知らない。
いつも我慢してきたけど、もう限界。
悟さんの腕を振り払う。
「知りません」
「僕、名前に捨てられたら死んじゃうよ?」
「私だって蓮が空飛んでるのを見て、心臓が止まるかと思った!」
本当に寿命が縮まったんだから。
心を抱っこ紐でおぶり、蓮の手を引く。
そして旅行鞄を引きづって歩き始めた。