第22章 懐胎*
side.五条悟
「じゃあ、始めるか」
硝子が麻酔の準備を始める。
「えっと…ちょっとだけ、時間下さい」
「ん?ああ。いいよ。私も少し休憩しとく」
硝子が医務室を出た。
それを確認して、名前のベッドに頬杖をつく。
「で?どうしたの?やっぱり不安?」
「…うん…」
そうだよね。
でも大丈夫。
僕が着いてるから。
「僕に出来ることは?」
「…ある…」
「キスして抱きしめて」
「いいよ」
抱きしめて、啄ばむようなキスを沢山する。
これで君の不安が軽くなるなら。
何時間でもこうしていてあげるよ。
「…もしも…もしもね…。私に何かあったら…」
「大丈夫。君のことは絶対に死なせない」
僕以外にも、硝子や憂太がいるんだから。
「蓮にも何かできるかもしれないし」
「私、蓮に助けられるの?」
「それだけは避けたいよね」
「ふふっ」
「そうだよ。だから何の不安もいらない」
漸く名前が笑った。
もう大丈夫そうだね。