第22章 懐胎*
side.五条悟
医務室に入ると、丁度硝子が胎児の様子を診ていた。
「心ちゃんは、どう?」
「どうもこうも蓮の時と同じだよ。この様子ならいつ産まれても遅くない」
「蓮が言うには明日らしいんです」
「すごいな。未来予知まで出来るのか」
「ははっ。僕の子だもーん♡」
「…名前。浮気してこい」
「えっ?」
僕の発言が余程気にいらないのか。
変なことを吹き込む硝子。
やめてよ。
僕、名前に捨てられたら、地球滅ぼしちゃうよ?
「硝子さん。残念ながら私にそんな度胸ありません」
「お前の心臓はミジンコだな」
「ははっ。そこが可愛いじゃん」
名前は僕から離れられないもんね。
「で、どうする?」
「えっ?何が?」
「今度も心臓止まるまで待つか?それとも、ちゃっちゃと切開して出しちゃうか?」
「そっか…。前回、私、死んじゃったんですよね」
「そうだね。もう取り出してもいいなら、心臓止まる前に取り出しちゃおうか?」
それなら硝子の反転術式で治せるし。