第22章 懐胎*
毎日のように悟さんと蓮がお見舞いに来てくれる日々が続いた。
こんな弱々しい姿、蓮は見せたくなかったのにな。
でも不思議なことに。
蓮が側にいると、悪阻が治まるんだよね。
何でだろう?
本当に不思議な子。
硝子さんが栄養失調を防ぐために、点滴をしてくれてるけど。
いつまでこの身体は持つんだろう?
この前一人でトイレに行こうとして、両足を骨折した。
何かする度にボロボロになっていく。
「ママ」
「うん?何?」
「お手て、だして」
「うん。いいよ」
蓮が私の手を取る。
「ふふっ。うん。こころね、あしたくるって」
「えっ?」
これには悟さんも驚いたようで、目を丸くする。
「待って。蓮。今、心とお話したの?心がそう言ったの?」
「ちょっと、悟さん」
蓮の肩を掴んで問いただす始末。
でも蓮の場合、子供の戯言で済まされないから怖い。
「うん。こころ言ったもん」
「そっか。分かった。蓮、ありがとう」
「うん」
顔を見合わせて、笑い合う。
明日か。