第22章 懐胎*
妊娠3ヶ月になった。
予想通り悪阻が酷く、食べては嘔吐する日々。
「…ママ…だいじょうぶ?」
「大丈夫だよ。これはね、嬉しいことなの。だから蓮はお外で元気に遊んでおいで?」
「…うん…」
毎日私がいる医務室に、お見舞いに来る蓮。
私を心配する顔が頭から離れない。
蓮にあんな顔をさせるくらいなら。
諦めた方がいいのかも。
また生死を彷徨うことになったら…
『僕の妹を守ってね』
弱気になったらダメだ。
未来の息子からのメッセージを思い出す。
「名前ー♡お見舞いに来たよー♡」
「…悟さん…」
どうしてこうも絶妙なタイミングで現れるかな?
「具合はどう?」
「…大丈夫だよ」
悟さんの手を握って、微笑む。
「来て良かったよ。大丈夫じゃないね」
「えっ?」
「名前。今、すごく辛いでしょ?」
そんな優しい顔しないでよ。
弱音吐いちゃうじゃん。
「………蓮が…可哀想で…」
ポロポロと涙が出てきてしまう。