第22章 懐胎*
「ねえ?悟さん」
「うん?」
「呪術師のこと知りたいって言ったら、困る?」
自室に戻る最中。
以前から思っていたことを聞いてみる。
「いや。困らないけど。名前、呪いとか視えないでしょ」
「そう…なんだけど…」
どうして私だけ視えないんだろう?
蓮は視えてるのかな?
「どうしたの?急に」
「蓮ね。怪我してもすぐに治るの」
不思議だし、不安でならない。
「それは君の血が流れてるからじゃない?」
「蓮は呪いとか視えてる?」
「ははっ!蓮は呪い視えるどころか、蚊取り線香みたいなもんだよ」
「何それ?どういうこと?」
部屋に着いて、ソファーにドカッと座る悟さん。
おいでおいでと手招きされて、悟さんに抱きあげられる。
「不安になる気持ちは分かるよ。それより先ずはこの子のことを考えてよ」
「心?」
「うん。蓮の時みたいにならないといいけど」
そうだね。
あれだけ大騒ぎだったんだもん。
悟さんはそっちの方が不安だよね。
大丈夫。
この子も守ってみせるよ。