第22章 懐胎*
隣でぐうぐうと寝ている蓮を見る。
「…名前…」
吃驚した様子の悟さんを見て。
同じ体験をしたのだと悟った。
「蓮の夢、みた?」
「うん」
「この子…一体何者なんだろう?」
蓮の周りでは不思議なことばかりが起きる。
「それより名前。妊娠してるの?」
「…分かんない…」
「君がみてた予知夢って、こんな感じ?」
「うん」
私の変な力が蓮に遺伝してるの?
「そっか。もう少し寝て。それから硝子の所に行こう?」
「…うん…」
確かに、まだ夜明け前だ。
悟さんの腕に抱かれて、再び眠りにつく。
午後になって、私たちは硝子さんを訪ねた。
「妊娠してるね。おめでとう」
吃驚して、悟さんの顔を見上げる。
やっぱり本当だったんだ。
「どうかしたのか?」
「蓮の予知夢で知らされたんだから、そりゃ驚くでしょ?」
「じゃあ初期症状はないのか?」
「はい。全く」
「そうか。蓮の時は死にかけたんだ。今回も気をつけないとな」
そうだった。