第21章 友情
翌日。
憂太くんにばったり会う。
「あ、名前さん。こんにちは」
「こんにちは」
2人きりは、ちょっと気まずい。
「そういえば、五条先生から名前さんのこと聞きましたよ」
「えっ!?何を!?」
やだー。
恥ずかしいこと言われてないといいけど。
「前世では水の妖精みたいな方だったんですね」
「あー。そのことね。良かった」
首を傾げる憂太くん。
「ごめん。何でもない。変なこと言われてないか気になっただけ」
「ははっ。先生はそんなこと言いませんよ。また出会えるなんて凄いですね」
「………ねえ?何でそんな風に笑うの?」
すごく悲しそうだよ?
「…僕は…大好きだった幼馴染の女の子を亡くしてるんです」
「…そう…だったんだ…」
「だから五条先生と名前さんが羨ましいです」
そんな良いものじゃない。
「…私は…私が消えた後の悟さんを知らないの」
「…そうですか…」
憂太くんの悲しげな顔を見て、胸が締め付けられた。