第21章 友情
「…きっと…悲しかったよね?」
「…そう…思います…」
悟さんのことを聞いたけれど。
それは同時に憂太くんの感情でもあるよね。
悲しい笑みが出る。
悟さんは一体どんな思いで、私のいない人生を過ごしたんだろ?
とてもじゃないけど私には無理。
悟さんのいない人生なんて考えられない。
「…来世で…幸せになれるといいね」
「そうですね」
そうなることを切に願う。
「グランド行こうか?」
「そうですね」
一緒に皆の待つところへ行く。
こういう時に支えてくれるのは友達だもんね。
「おい!名前!憂太!早く来いよ」
「今日から護身術教えてやるぞー」
「パンダ先輩はやめなさい。ぶん投げられるわよ?」
「しゃけ」
「名前さんが怪我したら。あの人、何をしでかすか分かりませんよ?」
「なあ?それより蓮が俺の髪の毛ひっばるんだけど!何とかしてくんない?」
「やだやだ!ごめんね!」
「あははっ!」
皆の笑い声が響き渡る。
憂太くんの笑った顔を見て、ほっとした。