第21章 友情
「怖かったんでしょ?」
何も言ってないのに。
何で見透かすように分かっちゃんだろう?
話した感じ。
憂太くんはきっといい子なんだと思う。
だけど、不気味…
その言葉がしっくりきた。
悟さんにソファーに座るように促される。
「憂太はさ。僕の遠縁の親類なんだよね」
「そうなんだ」
「うん。呪力量なら僕より上だし」
「そっか」
悟さんの言わんとしている事が分からない。
「その呪力量のせいで色々あってさ。特級過呪怨霊を従えてるんだ」
「えっ?」
特級過呪怨霊って何?
その響きだけで怖いんだけど。
でも言葉のニュアンスから、特級というクラスの呪霊を従えているのが分かった。
「そんなわけで。憂太に会った僕の可愛い名前が、不安に思ってるんじゃないかな?って。悠二の時みたいに」
「あー。言われてみれば似てるかも…」
悠二くんはただ怖かった。
でも憂太くんは何かが違う。
違和感はそのせいか。
さっきまで怖かったのに。
この腕の中にいると酷く安心する。