第21章 友情
「私は五条名前。宜しくね、憂太くん」
「宜しくお願いします」
「うん。じゃあ私はもう少し走ってくるね。皆はグランドにいるよ」
「はい。ありがとうございます」
憂太くんに手を振り、後姿を見送る。
何だろう?
優しい顔してたのに。
ちょっと怖い雰囲気が否めない。
彼は何者なんだろう?
胸がざわつく。
早く帰って悟さんか硝子さんに聞いてみよう。
私は早々にランニングを切り上げることにした。
自室でシャワーを浴びる。
早く蓮を迎えに行かないと。
パタパタと支度をする。
「ただいまー。ダーリンと蓮くんのお帰りだよー」
「えっ?」
悟さんが蓮を連れ帰って来る。
「えっ?どうして?」
「久しぶり憂太が帰ってきたからさ。本格的な訓練になっちゃったんだ。危ないから連れて来た」
「えっ?そうなの?ごめんね」
直ぐに蓮を抱き上げようとすると、悟さんに抱きしめられた。
「いいよ。それより憂太に会ったんでしょ?大丈夫?」
心臓が“どくんっ”と跳ねた。