第19章 幸福
最初は緊張したけれど、色々と話をしていくうちに打ち解けてくる。
「今ね、もう一人お腹にいるのよ。今度は男の子がいいなぁ」
「男の子なんて怪獣よ?私はもう十分!」
「家の子は引っ込み思案だから、幼稚園にいれて大丈夫かしら?」
皆それぞれ悩みを抱えてるんだな。
それに比べて私は。
子供たちと遊ぶ悟さんを見る。
ほんと恵まれてるよね。
「蓮くんは手がかからなそうでいいわね」
「そうなんですかね?」
「そうよ。あんな子煩悩なパパだし」
確かに私には高専の皆がいるし。
一人で苦労をした経験がない。
「名前ー。そろそろ蓮が寝むそうだから…って、まだお話し中かな?」
「あらら」
「じゃあ、そろそろお帰りね」
「私、主人の都合でたまにしかこのマンションに帰って来ないんです。その時またお話させて下さい」
ママ友たちと連絡先を交換する。
「皆さん、今日はありがとうございました」
「妻をありがとうございました」
「またねー」
ママ友に手を振って、マンションに帰った。