第19章 幸福
「こらっ!虎っ!竜っ!いい加減にしなさいっ!」
虎くん竜くんママが子供たちを怒鳴った。
確かに怪獣ちゃんだね。
すると翠ちゃんと芽衣ちゃんが悟さんの手を握った。
「ねえねえ?おじゃちゃん」
「うん?」
「一緒に遊ぼう?」
「いいよ。でも僕まだおじさんじゃないよ。お兄さんだから」
子供に何を言ってるんだか。
「僕は子供たちと遊んでくるよ。名前はゆっくりお話してて」
「ありがとう」
手を引かれて皆と遊びに行く悟さん。
「なんだか素敵なご主人ね」
奥さんたちはほうっと悟さんを見る。
「羨ましいわー」
「あ、ありがとうございます」
「ご主人、外国の方?ハーフとか?」
「いえ、日本人です」
悟さんが去ると、直ぐに話題が変わってしまった。
言うほどカッコイイかな?
性格を知っている私は、少し微妙な顔つきになる。
「皆さんも、このマンションにお住まいなんですか?」
「皆、そうよ」
どうにか共通の話題を見つけることができた。