第18章 教授*
「ペースは遅くてもいいから、とにかく完走すること」
真希ちゃんに課せられたグランド10周。
4周目くらいまでは良かったんだけど、5周目から足が辛くなってきた。
これで半分か…
でも皆はきっとこの何十倍も努力してるんだろうな。
「おかかー!」
5周目を終えたところで棘くんから、お水を貰う。
マラソン選手みたいだな。
息苦しいけど、不思議と辛くない。
久しく運動してなかったし、応援してくれる皆がいる。
ハイペースは無理だけど、何とか走り終えることが出来た。
なんだろう。
すごい爽快感。
「どうだ?久しぶりの運動は?」
「はぁっ…はぁっ…うん…はぁっ…良かった」
芝生の上に大の字になって空を見上げる。
護身術まではまだまだ先は長そうだけど。
体を動かすって気持ちいい。
続けてればナイスバディになれるかもしれないしね。
「皆、ありがとう。また明日も宜しくね」
「おう。また明日な」
ノルマを達成した私は、皆にお礼を言う。
蓮を連れて、早々に宿舎へ戻った。