第17章 払拭*
「ねえ?」
「何?」
「私も訓練すれば、皆みたいに体力ついて、運動神経良くなる?」
「えっ?どうしたの?急に」
蓮におっぱいをあげながら、思っていたことを聞いてみる。
「うーん。私も皆みたいに強くなるかな?って」
「…ねえ?名前さ。昨日から何焦ってるの?」
痛いところを突かれる。
流石、悟さん。
「あー…うん。実はね…加茂くんと話して、ちょっと不安になっちゃって…」
「ああ。加茂家ね。彼の家も血筋大好きの御三家の一つだからね」
「…そっか…」
御三家ってそんなに凄いの?
母親と子供を引き離すくらい。
「真希や真衣。恵も禪院家っていう術式至上主義の御三家だよ」
「えっ?…じゃあ、伏黒くんも…」
親と離れ離れ?
何不自由なく育った私には分からない。
「でも、名前は何も心配しなくていいよ」
「何で?」
「だって僕が当主だもん。僕が君と蓮を引き離すと思う?」
「そっか…そうだよね…」
それでも感じている不安を払拭することはできなかった。