第17章 払拭*
身なりを整えて、冷蔵庫からお水を出す。
ゴクリと喉を潤した。
「楽巌寺学長は何て?」
「悠二のこと」
「ああ」
何度か話には聞いていたから、直ぐにピンとくる。
「宿儺の器だっけ?」
「うん。悠二はさ。すごいポテンシャル持ってるんだよね」
「そうなんだ」
「そんな子、殺すには惜しいでしょ」
確かに初めて会った時はゾッとしたけど、今は怖くない。
悠二くんが死ぬなんて嫌だよ。
殺すなんて言う楽巌寺学長も。
私もソファーに座り、悟さんの腕を引っ張る。
「何?」
「いいから。横になって」
私の膝に頭をのせる。
「何これ?何かのご褒美?」
「うん。いくらでもご褒美あげる。だから蓮と悠二くんのこと守ってあげて?」
「ははっ。名前はずるいなぁ。そんなこと言われたら守るしかないじゃん」
「何があっても、蓮のことお願いね?」
「どうしたの?急に」
「ただ怖くなっただけ」
「心配性だなぁ」
私じゃ守ってあげられないから。
最強と言われる悟さんにお願いするの。