第17章 払拭*
「えっと………じゃっ!俺っ!行くわっ!」
バイバイと手を振って。
何事もなかったかのように、出て行こうする悠二くん。
悟さんはその首根っこを掴んで、一緒に外に出る。
廊下から物騒な音や声が聞こえきた。
なんかヤバそうな雰囲気だけど大丈夫?
悠二くん生きてるかな?
暫くすると悟さんが帰ってくる。
「………見られた?」
「多分、大丈夫。これ被ってるし」
「肩見えてんでしょ!」
「シ―ッ。大きい声出さないで」
別に肩くらいいいじゃん。
キャミソールだし。
「普通にムカつくんだけど」
「いやいや。こっちもビックリだよ」
「何で鍵かけないのさ」
「いや。そもそも何で悟さんの部屋に悠二くんが入ってくるさ」
「それは葵が…って、もういいや」
ドカッとソファーに項垂れる悟さん。
何やらお疲れのご様子。
「どうしたの?何かあった?」
「おじいちゃんに苛められて疲れた」
「おじいちゃんって、楽巌寺学長?」
「うん」
眠ってしまった蓮を、ベビーベッドに降ろした。