第16章 不穏*
朝目覚めると、呑気に悟さんの腕枕で寝ていたことに気づく。
あれ?
私、いつの間に…
ベトベトの身体を見て、昨日ことを思い出す。
あ、そうだ。
意識が飛ぶまで、悟さんのお相手をシたんだっけ。
久しく見ていなかった悟さんの寝顔。
黙ってると本当に美形なのにな。
口を開くと残念だよ。
腕からすり抜けて起きようとした時だった。
カクンと力が抜ける。
あれ?
力が入らない…
慌てて隣にいる悟さんをゆすって起こす。
「…ん…ふぁあ…おはよう。名前」
「…み、ず…」
「ん?水?」
瞼を擦る悟さんに取ってきてと、冷蔵庫を指さす。
「はい。どうしたの?」
どうしたのじゃないよ。
喉がカラカラなんだよ。
ごくごくと水を飲み干した。
「ぷはぁ…はぁっ…生き返った…」
「ははっ。ウケる。五臓六腑に染み渡ってそうだね」
「笑い事じゃないよ。起き上がれないよ。一体何回したの?」
「んー、僕もあんまり覚えてないな。10回くらい?」
言葉を失ってしまう。