第14章 出産
side.五条悟
小さい息子を託されて、初めて腕の中に抱く。
なんか梅干しみたいだな。
けれど腕に抱いた瞬間、一気に父性が湧き上がった。
この子を死ぬ気で守りたい。
そして僕の全てで愛したい。
うにうにしてる姿が堪らなく愛おしい。
「名前はもう回復したようだな」
「お陰さまでね」
「どうやって、あの状態から治したんだ?」
「愚問だよ。僕と名前の呪いのお陰さ」
「セックスしたのかよ…」
僕と飽きれ顔の硝子が話している間に、生徒達は渋々自室へ戻って行った。
暫く、この子はもみくちゃにされるだろうな。
「名前。僕らも帰ろうか」
「うん。そうだね」
「硝子。ありがとう」
「硝子さん、お世話になりました。ありがとうございました」
「はいはい。おやすみー」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
僕らは愛しい我が子を抱えて部屋に戻った。
部屋につくなり、息子は「ふにゃあ」と気の抜けた声で泣きだす。
「きっとおっぱいだね」
名前に子供を預ける。