第14章 出産
side.五条悟
「大丈夫だよ。あの硝子に任せてるんだ」
「うん」
名前と医務室へ向かう。
深夜なのに廊下は賑やかな声が響き渡っていた。
「可愛いー!ちっちゃーい!」
「首すわってねぇんだから、気をつけろよ?」
「しゃけ!」
「棘、待てよ。順番待ちだ」
「俺、最後で良いですよ」
僕と名前はキョトンとして目を合わせる。
名前を降ろして、医務室の中を覗く。
室内では僕らの子供を生徒たちが取り合っていた。
「皆もう寝る時間だろ。このチビだって今日生まれたばっかりで疲れてんだ。帰った帰った」
「俺、まだ抱っこしてねぇぞ?」
「おかかー!」
「明日でいいだろう」
生徒たちの様子を見てくすりと笑う名前が、医務室のドアを開ける。
「あーっ!名前さんっ!心配しましたよっ!」
「ごめんね。でももう元気だから」
「良かったー!」
野薔薇が名前に抱きついた。
息子を抱いている硝子が僕の元へ向かってくる。
「ほらよ、パパ」