第14章 出産
side.五条悟
「名前?」
話してる間に寝ちゃった?
様子を窺うと、名前は息をしていなかった。
名前の身体を抱えて、急いで医務室へ向かう。
「硝子っ!」
「ん…うん?」
寝ぼけ眼の硝子を起こして、名前を診察台に寝かせる。
「子供は問題ないんだよね!?」
「はっ?名前?何が起こったんだよ?」
「名前が息してないんだっ!早く腹切って子供取り出してっ!」
心肺蘇生をする僕を見て、硝子が慌てて帝王切開をする。
「急げっ!」
「やってるよっ!」
「名前っ!死ぬなっ!約束しただろっ!」
死なないって、君は言ったのに。
「取り出す!五条!ここ抑えてて!」
「分かった!」
腹膜を広げると、硝子が名前の子宮から子供を取り出した。
へその緒を切るのを確認して、また名前を抱き上げる。
「硝子っ!子供は任せたっ!」
「はっ!?五条っ!?」
僕は急いで部屋に戻った。