第13章 懐妊
side.五条悟
「名前の身体のことだよ。悪阻酷いなら暫く高専で面倒みるって話だよ」
「こんなんじゃエッチもできないしね」
そう言うと硝子に蹴られた。
地味に痛い。
本当なら僕が四六時中付き添ってあげたいけど、仕事があるし。
こんな状態で一人にできないし。
「名前は自分で点滴打てないだろう?」
「ははっ!間違いなく神経にぶっ刺しますね…」
「じゃあ、やっぱり宿舎に一時的に引っ越そうか。硝子もいるし安心でしょ?」
「でも仕事が…」
そうだった。
未だに週2で続けてるんだよな。
「これを機に辞めれば?」
「えっ?」
「だってこれから育児だってあるだろ」
「そっか…」
さすが硝子。
僕が言うと反発するけど、硝子が言うと違うね。
「名前には気の毒だが五条の子供だ。このクズは一応名家だし、お前と子供の安全面も気にしないとだろ?」
「確かに…分かった。引っ越す」
あっさりと事が運び、ほっとする。
硝子がいてくれて本当に良かったよ。