第13章 懐妊
side.五条悟
「妊娠してるね。おめでとう」
「やったぁー!僕の子供っ!」
「………」
「名前?」
はしゃいで名前に抱きつくが、名前は無反応。
顔を窺うと呆然としていた。
「名前?嬉しくないの?」
「えっ?いや…お腹にいると思うと…不思議で…」
うーん…
その気持ちは僕には分からないな。
僕は純粋に嬉しいけど。
「ここに…命があるんだね…」
名前はお腹に手を当ててぽわっとしている。
実感がないのかな?
「ところで、五条。名前は飯食えてるのか?」
「そういえば最近、食欲落ちてたね」
「えっ?そうだった?」
無自覚か。
まあ、ちょっと前まで「ブライダルダイエットだ!」とか言って断食したりしたからね。
感覚麻痺ってんでしょ。
「五条。これからどうする?」
「うーん。そうだなー。僕の宿舎もあるし…」
「えっ?何の話?」
名前は全く話が飲み込めないという感じだった。