第13章 懐妊
ベッドにドサッと下ろされる。
あっ。
何か今の浮遊感気持ち悪い。
キスを迫ってくる悟さんの顔面を抑えた。
「ちょっと待って!」
「えー。やだよー。待たないー」
「いや!本気で!冗談じゃなく!」
込み上げて来るものを抑えるように、口元を押さえる。
「え…何?」
「悟さん…マジで気持ち悪い」
「えっ…はぁ!?僕が気持ち悪い!?それ何かの病気!?」
「ちがっ!…おえっ!」
急いでごみ箱を抱える。
「げほっ…おえっ!」
嘔吐反射が止まらない。
気持ち悪いのに、何故か胃の内容物は出てこない。
堪らず涙目になる。
そんな私の様子を見て、悟さんはある疑問を問いかけた。
「………名前。もしかして妊娠した?」
「えっ?」
分かんない。
結婚式の準備とかで月経を遅らせるピルとか飲んでたし。
首を傾げると悟さんは心配そうに私を見る。
「この時間だし。病院やってないだろうから、硝子のところに行こう」
「…今、車乗れない…」
私が首を横に振ると、悟さんがスマホを弄り始めた。