第11章 輪廻*
私たちは今、沖縄に来ていた。
海外が良いと悟さんはごねたけど、私は2人が出会った竹富島で式を挙げたかったからだ。
「名前さん。もっと幸せそうに笑って下さい」
「笑ってるつもりです…」
大きな木の前で誓約を交わし、写真を沢山撮られる。
そして何故か私は注意をされている。
結婚式って、こんなに苦痛なの?
一生分笑ってるんだけど…
「うーん…何か表情固いよね」
悟さんにも言わてしまった。
「スタッフさん。すみません」
「大丈夫ですよ。もし宜しけば先に海に行きます?」
「いいんですか?」
「大丈夫ですよ」
お言葉に甘えて私たちは海へ移動した。
「うわぁ!!キレイ!!」
雲一つない青空。
綺麗な海。
自由を感じる。
「ふはっ!まるで水を得た魚みたいだね」
「だって、海、好きなんだもん!」
笑い合っていると、沢山写真を撮られた。
また緊張が走る。
「ほら。僕に集中して」
「えっ?」
顎を引かれ、口付けをされた。
「うわぁ…」
「すごーい!」
スタッフさんが歓喜の声をあげるから。
不思議に思って海を見る。
すると海面から魚達が飛んでいて。
私と悟さんの挙式を祝うように、アーチを作っていた。
「綺麗…こんな事ってあるの?」
「君は海の女神なのかもしれないね」
悟さんは笑って、私に口付けをする。