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600秒の夢境【twst短編集】

第2章 空虚に絵を描く/ジェ監


 ジェイドはやっぱり兄弟の言っていることが分からなかった。
「ジェイド先輩っ!」
 少女はちゃんとそこにいるし、笑顔を向けて名を呼んでくれるのだ。
 ジェイドは穏やかに微笑んだ。あの頃と変わらずに少女が幸せそうに笑っている。
「今日の晩ご飯、ミルクスープにしませんか?私、ジェイド先輩が作ってくださるミルクスープが大好きなんです」
 世界はあの頃よりも随分と変わってしまった。
 そんな世界の中で、ジェイドだけがあの頃と変わらぬ温かな記憶だけを頼りにして、幸せを描き続けていた。



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