第4章 ファーストキス
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君が、ヒュッと息を呑む
僕を抱く腕に、更に力がこもる
「…心配すんなよ、翔くんが暴走しそうになったら、俺が馬場チョップで止めてやる」
「………何で馬場チョップ。」
「卍固めでも良いけど?」
「………馬場チョップでお願いします。」
「…ふふっ///」
下らない会話に、笑いが込み上げる
「…へへっ…なんか、なかなか甘い感じになりませんな(笑)」
君も、釣られて笑い出す
「仕方ないじゃん、俺ら幼馴染みなんだからさ」
「幼馴染みっつっても、やっぱ想いが通いあったら甘い雰囲気になるもんじゃないの?」
「仕方ないじゃん、俺ら男同士なんだからさ」
「あー、成る程ねぇ」
「良いからしろよ、早く」
「…だから、もうちょっとこう、ロマンチックに…」
「うるせぇ!」
「っ!!////」
そんな瞬間は訪れないって思いながら
知らない男たちに散々抱かれておきながら
それでも君にと死守していた唇を
僕は、何時までもゴネて躊躇う君の唇に押し付けた
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