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人生を愛し、自分を愛し、花を愛する

第3章 仮初の夫婦生活







とりあえず、家に帰ったらそれとなく聞いてみるか。








何故か沸き上がった


妙なモヤモヤ振り払うように外套をはためかせ、


いつものように帰宅したのに。






その日に限って、




真琴は玄関に出迎えに来なかった。








ヒュッと背筋が凍ったような感覚。






弾かれたように走りだし、


リビングのドアを吹き飛ばす勢いで開くと、


真琴はそこのソファで静かに横になっていた。










今でも思い出せる。






真っ白な真琴の顔。




あまりに生気のないそれに、


心拍数が跳ね上がったのを感じた。










「おい!真琴!?おい、大丈夫か!?」








乱暴に両肩を掴んで揺さぶると、


フッという軽い呼吸の後、


瞼が震えて。





ゆっくりと俺を映した、大きな瞳。











あからさまにほっとする俺を、


何度かパチパチと瞬きをしながら


不思議そうに見つめた真琴が、



今の状況にようやく気づいたのか








「ああっ!」









と少々焦ったような声を出した。










「ごめん、うたた寝をしてしまったよ。



ご飯作ってない。



やっちゃった。」







「ンな事…お前…ンな事な…」




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