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Wonderland

第4章 女中として






*********



そう…
私は…



『私は治癒能力を持っている天人なんです』

土「治癒?」

『いや…治癒だと少し語弊があるかもしれません。 不死身…と言ったほうが最適かと』

土「……」



土方は嘘だろ、という表情で私を見ている。


信じられない、ということだ。



こんなこと人に話すのは初めてだった。


怖くて、普通の人には話せなかった。


でも、こいつーーー…

土方には話しても良いと思った。



『私は、死なないんですーーーーー…』

土「……あぁ」

『すぐに傷口が塞がって、死にたくても死ねない。 私が死ぬ方法はただ一つだけ…』

土「……」



土方は私の顔をまじまじと見つめる。

ああ、整ってるなあ。

むかつくけど。


モテるんだろうなあ。




『最愛の人の血を染み込ませた杭を心臓に刺すことです』

土「…杭?」

『…まるで吸血鬼みたいでしょう?
でも、私にはまだ最愛と呼べる人がいない。つまり、私はまだ死ぬことはできないの』

土「はっ……嘘のような話だな」

『…人に話したのはあんたが初めてだから』




土方は考え込むように俯いてしまった。


もう、話はこれだけ。
私は部屋を出た。



『…ありがとうね』



部屋を出る時に言ったその言葉は
あいつに聞こえてたのかはわからない。


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