第2章 大丈夫って言ってるやつが一番大丈夫じゃない
『…はあ、はあ…』
「待て…この‼︎」
黒髪の男がだんだん近づいてくるのがわかった。
でも私も捕まるわけにはいかない。
坂本に何されるかわかったんじゃない。
だから、細い路地をくねくね曲がって
男を巻こうとしてるけどこの男も随分としつこい。
しつこい男は嫌われるんだぞ‼︎
「先回りさせてもらいやしたぜ」
『‼︎‼︎』
細い路地の出口にはさっきの茶髪の男が立っていた。
まさか先回りされてるなんて‼︎
後ろには黒髪の男が詰めてくる。
なんでこんな細い路地に入っちゃったんだろ…
がしっ
「やっと捕まえたぜ」
黒髪の男は少し呼吸を乱しながら
私の腕を掴んだ。