第2章 大丈夫って言ってるやつが一番大丈夫じゃない
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あの日坂本の家を飛び出してから私は家にも帰らなかった。
家と言っても両親は幼い頃に亡くし、一人暮らしだけれど。
私が消息を絶ってからあちこちで
私の捜索がされていた。
坂本財閥まで動き出して、
私は完成に追われる身になっていた。
持っていたお金で服を買い、
変装の道具も買った。
さて、これからどうしようという時に、前にお通が言っていた何でも屋、万事屋を思い出してそこに行ってみた。
万事屋には白髪の男、メガネ、チャイナ服の女の子がいた。
私の顔を見るなり二人の男はサインだのなんだの言い始めて、もう役に立たないと思った。
でもチャイナ服の可愛い女の子が
私を引き止めて、私の心を鎮めてくれた。
…ほんの少しのことで帰るなんて
ピリピリしすぎていたのかな…
それで今私たちはソファーで向き合っている。