第3章 初恋 (佐野万次郎)
立ってられないって言ったのに…っ
「…きもちい?」
さっきまで胸の突起を口に含んでいた万次郎くんが、今はソコを避けるようにクルクルと舌で焦らしてくる。欲しい…そう思ってしまう自分が怖い。だって私は真ちゃんの彼女で、万次郎くんは真ちゃんの弟なのに。
『んん…っふぁあっ』
なんで…抑えても抑えきれない声に嫌気がさす。
「イイトコ触ってないのに気持ちんだ?
焦らされんの好きなの?」
『ちが…あっやめ…てっ』
「そんな顔してんのにやめてほしいの?
もっとって素直に言ったらいいのに」
『言わな…いっ』
「そっかあ」
そう言ってスっと離れたからもう終わったと思ったのに。ぐるんと向きを変えられてキッチンに両手をつかされる。万次郎くんにおしりを突き出してるみたいになってすごく恥ずかしい。
『な…なにっ!』
「欲しいって言わせてあげる」
『…っん!!!』
万次郎くんの着ている柔らかいスウェット越しに硬いものが私のお尻に押し付けられる。これが何かわからないほど純粋じゃない。真ちゃんと付き合ってもうすぐ4年…そういう事だってしてきた。佐野家に住まわせてもらっているし、皆一緒に住んでるから回数はそんなに多くないけれど、今自分のうしろに当たっている硬いものが何かはわかる。万次郎くんの…っ。
「んは…やば…っ」
『やめ…て…っ』
私の腰をうしろからガッチリと掴んで服越しに何度も何度も擦り上げてくる万次郎くん。濡れてるって自分で分かる…欲しい…だけど口にしたら戻れなくなる。
「ねえ…俺そろそろ限界だから…っ
欲しいって早く言ってよ…っ」
『そんなこと言えな…んッ』
腰を掴んでいた手が上半身を撫でながら膨らみへと到達する。上と下を同時に責められて声を我慢しろって方が無理だよ…っ
「ね…ほら…欲しいでしょ?」
『んはあ…は…まんじ…ろっくん…っ』
プルルルルルルルッブーッ
「鳴ってるよ」
『ん…うん、んっはあ…っ』
鳴ってるよと言いながら手も腰も動いたまま。
「早く出ないと切れちゃうよ?」
『え…真ちゃんっ』
サァーっと血の気が引く。
落ち着いて…ただ電話がかかってきただけ。
バレてるわけ…ないのに…怖い。