第3章 初恋 (佐野万次郎)
「おいマイキーどういうことだ?」
『賢くん顔こわいぞ〜』
「いや、アンタも怒った方がいい
真一郎くん泣くぞ」
『いやいや、私が悪いの!
タケミチ君に会った時、万次郎くんの彼女ですーって言ったら騙されるのかなー?と思って嘘ついちゃったから!』
「いやいやさん何してんすか。
にしてもマイキーがキスしていい理由にはなんねえ」
「可愛いからな、彼女だって宣言しちまうマイキーの気持ちは分からなくもねえけどよ。彼氏持ちの女にキスはダメだろさすがに。」
「いや、分からなくもねえのかよ。
なんの暴露だよ場地。」
「んあ?だって俺のこと好きだったし
でも真一郎くんの真っ直ぐさに負けた」
「え!場地ものこと好きなの!
だめだよ、俺のだから!!」
「いや、前の話っつってんだろ
てかは真一郎くんの彼女だからな」
やっぱモテるんだーと思いながらも先程ついてしまった嘘をどうすればいいのやらと考える。
「嘘ついたのは悪かった。でも、ああ言えばに手を出す奴はいねえだろうし…その…」
『万次郎くん謝らなくていいって!
ごめんね皆、私が変な嘘ついたから!』
「いやまあ…ちゃんが怒ってないならいいけどよ。マイキーにあんま好き勝手させんなよ、そのうち食われるぞ」
『…っだいじょぶだよ!』
1度最後まで食われかけたからか、少しの間のあといつも通りの笑顔をけんちんに向けた。
「んじゃ、俺ら夕飯作んなきゃだし帰るわ
行こう。」
『あ、うん、またねみんな!』
を抱き上げバイクの後ろに座らせて家までの道を走った。背中に感じるの温もりと、お腹に回った細い腕。ほんとに彼女ならいいのに。
『ふぅ、ありがとう万次郎くん!
荷物多かったから助かったよおお!』
「いつでも呼んでね」
『うん、助かる!』
「おかえり2人とも〜!」
『エマただいまー!!
ってそんなおしゃれしてどこ行くの?』
「えへへ、けんちゃんの後ろのって
ドライブしてくる〜っ」
『わー!良かったじゃん!
楽しんでくるんだよ!』
「うん!あ、あと真にぃがバイク屋泊まるってさ
キリいい所までやりたいけど朝になりそーって」
『わかった、伝言ありがとう!』