第16章 たったひとつの (五条悟)
アイスを頬張って冷たかった口内も舌を絡ませているうちに溶けるほどの熱を持ちはじめる。
『ん…ッさとる、待って…っ』
「待てないよ」
『さっきの話の続き…しよう。』
僕の肩を押し退けて真剣な目で見つめられる。そんな顔されたらさすがに、ね。
「僕はね、のことが好きだよ。」
『でもそれは…』
「もちろん"家族愛"でもあるよ。でも僕はそれ以上にのことを想ってる。」
『う、ん。』
「僕のこと嫌いになった?怖い?」
『ううん、私が悟を嫌いになることはないよ。』
「それは嬉しいね。」
の表情から戸惑いが伝わってくる。僕のことを親のように思ってるところも正直あると思うしね。
『心配しなくても私はどこかに行ったりしないよ。』
「うん、約束したからね」
『だから無理にそばに置こうとしなくたって大丈夫だよ。』
僕からの "好き" をまだ何かの口実だと思っているんだね。なかなか信じてくれないみたい。でもさ、僕ってそんな興味もない女の子のこと自分できっちり面倒見続けたりしないから。
「まだ分かんない?」
『え、?』
「僕の好きは恋愛感情だよ。とだからキスだってセックスだってしたい。他の誰にも渡したくない。僕だけのお姫様になって欲しい。」
僕に愛を教えてくれたのはお前だよ。
こんな穢れた世界で唯一の光。
僕に愛させてよ。