第16章 たったひとつの (五条悟)
僕の選んだアイスを僕の選んだルームウェアを着て食べてる。僕が乾かしてあげた髪。お揃いのヘアオイル。全身から同じ匂いがする。さっきまで少し警戒してたくせにすっかりテレビに夢中らしい。
その証拠にピタリと肌を寄せて座っていても何も反応がない。それはそれで寂しかったりするんだけど。
「?」
『んー?』
「このテレビそんな面白い?」
『んー』
「アイスひと口もらっていー?」
『んー』
端っこをひと口だけ貰っても反応はなし。
「ちゅーしていー?」
『んー』
ははーん、僕の話聞いてないねぇ
「ちゃーん♡えっちしよーよ♡」
『んー』
はい、言質とったり〜♡
アイスの最後の一口をぱくりと頬張ったのを見送ってを抱き上げる。危険を察知したかのように抵抗し始める身体を横抱きにして向かっている先はもちろん寝室。
『ちょっと悟?私テレビ見て、っん…ッ』
「っは、あま♡」
『…ん、もう…待ってってば…っ』
「の口ん中冷たくてきもちーね」
『おろしてってば!』
「いいよ、でもベッドついたらね。」
『や…っシないから…っ!』
「が僕の話ちゃんと聞かずに返事するからでしょ?僕はちゃんとえっちしようって聞いたよ。」
寝室についてすぐゆっくりベッドへおろしてから嫌だと言って起き上がろうとするの背をシーツに縫いつけて指を絡める。
『私がいいって言った…?』
「だから今こうしてベッドに押し倒されてるんでしょ?」
『う、そ…』
うん嘘。いいとは言われてない。
でも曖昧な返事されちゃったからさぁ〜
それに今夜も抱くって決めてたし♡