第16章 たったひとつの (五条悟)
艶々に仕上がった自分の髪を見て嬉しそうに何度も手ぐしを通している。あ〜かわいい♡
『艶々になってるすごい悟!』
「お前は元々髪綺麗だからね〜いい物使えば輝くのは当たり前だよ。」
『このルームウェアも新しいのにしてくれたんだね。肌触り良くて気持ちい。ありがとう。』
袖で頬を撫でて嬉しそうに笑ってる。
この笑顔が守れるなら僕は何だってする。
「が気になるって野薔薇と話してたブランドの新作ルームウェアってこれでしょ?」
『うん、よく知ってたね』
「のことならなんでも知ってるよ。」
髪を人束掬って口付けると黙りこんだが僕の頬に手を添える。揺れた瞳が何か言いたげに、でもきっと何も言ってこない。
『…アイス食べよ?』
「僕も軽く化粧水してからリビング行く。先に行ってテレビでも見てて?」
『わかった、早く来てね』
「もちろん」
僕がにむける感情は家族愛でも恋愛でもある。本人は家族愛だけだと思ってたみたいだけど。そんなんで収まるわけないでしょ。僕の全てなんだから。
「お待たせ〜アイスどっちがいい〜?」
『どっちとかあるの?』
「こっちはお前がいつも食べてるお気に入りのやつね。こっちはそれのプレミアムだってさ。あったから買ってみた。」
『え!それ今日からなんだよ!』
「あーそうなの?んじゃこっち食う?」
『うん!やったあ!』
ソファに腰掛けていたがぴょんぴょん跳ねながらキッチンにやって来て僕の手からアイスを受け取る。可愛らしいったらありゃしないよね。
「座って食べな」
『はあいっ』
には学生らしい生活を送って欲しい。呪術師である以上無理なことはわかってる。それでも願わずにはいられない。野薔薇や悠仁、恵と共に青春を謳歌して欲しい。僕が誰にも奪わせやしないからさ。