第16章 たったひとつの (五条悟)
僕の脚の間に座っていたがすーっと離れていく。なんでなんでなんで。だめだめ。
「離れるのは違うよね」
『え、だって好き…って』
「うん好きだよ」
『その好きは…家族みたいなものじゃないの…?』
「じゃあは家族とセックスすんの」
『や、それはさすがにしないけど…』
「好きだから抱きたいと思うし好きだから彼女になって欲しい。その先の未来も全部僕が欲しい。伝わってると思ってたごめんね。」
『で、でも年の差とか…っ悟にはもっと魅力的な女の人がいる、でしょ?』
「僕と出会って彼女なんていたことある?最初はお前を守りたいってそう思ってただけ。でも今は違う。お前を守るのは僕じゃなきゃ嫌だと思ってる。」
守るべきだと思った小さな少女。
一緒にいる時間が長くなるにつれてその存在はあっという間に特別になった。好き、触れたい、僕だけの…って。
『悟が…私を好き…』
そう、確かめる様に小さく呟いた。
「今までの愛の言葉ぜーんぶなんだと思ってたの?」
『ノリ、みたいな?』
「うっそでしょ、心外〜!!」
『ごめんね…』
「んーん、僕がちゃんと伝えればよかったね。大好きだよ、愛してる。がいなきゃ生きていけない。」
『…っそんなの大袈裟だよ悟…』
「大袈裟じゃないよ、ほんとに。僕はのために生きるからお前も僕の為に生きてよ。必ず守る、幸せにできるかは分かんないけど寂しい思いはさせない。僕の全部にあげる。」
真っ直ぐに俺を見つめる瞳は微かに揺れている。きっとそれは戸惑いから。
『…続きは上がってから話そう。のぼせそう。』
「そうだね。あ、の好きなアイス買ってきたよ。」
『うそ、チョコの?』
「うん、たくさんあるから好きに食べて」
『やった!早く行こ!ありがと悟〜!』
わがままも言わず弱音も吐かず随分大人びて育ったなあとつくづく思うけどたまに見せる年相応の表情に安心する。僕は何よりも第1にの心が休まる場所でありたい。