第16章 たったひとつの (五条悟)
「ねぇ虎杖〜」
「んー?」
手を止めて頬杖をついた釘崎が俺の方を向いて真っ直ぐに目を見る。
「となんかあった?」
「…っえ?」
「あの子朝方帰ってきたのよ。ずっとあんたの部屋いたの?」
「あぁ、うん…寝ちゃってさ。朝起きたらもういなかったんだけどね。」
「ふーーん?にしてはあんたソワソワしてない?」
「そ…うかな!?」
「なんでもいいけどさぁ、に変なことしないでよね」
「…うっ、はい。」
「なに、まさか手出したんじゃないでしょうね」
「いやぁ…」
ジト目で俺を見てため息をつく釘崎。
「はあ…別に私は関係ないから何も言えないけどさ。のこと傷つけたら許さないからね?」
「はい、それはもう…はい、承知しております!」
「あんたが好きな女傷つけるような奴なら私が今ここでぶっ飛ばすわよ」
「…っえ、気づいてたん?」
「は?あんたバレバレだったわよ?いっつものこと目で追いかけて、勉強だって伏黒に聞けばいいのにいつもに聞いてるじゃない。」
「伏黒は全く気づいてなかったのに…」
「あいつこういうの鈍そうじゃない。恋とか愛とか知らないのよ。可哀想な奴ね。」
女の勘ってやつらしい。
俺そんな分かりやすかったかな。
だとしたらも気づいてる?
それはそれでなんかすっげえ恥ずかしいな。
ああでも…ただヤりたかった奴だと思われんのはもっとやだな。今日…伝えよう。