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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第15章 青の日々 (及川徹)



4日目。
朝の走り込み。

ちゃんの体調はどうだろうか。
悪そうには見えないけど…どうかな。

『おはよ、及川』

「おはようちゃん!体調どう?」

『体調?大丈夫だけど、どうして?』

「昨日上の空だったから。慣れない作業とか泊まり込みとか、その…大変だよね。」

薬は…見てないことにしよう。
わざわざ畳んだ服の間にしまってたんだから俺に見られたくなかったのかもしれないし。きっと俺が過度に心配するから、だよね。

『慣れない作業で少し疲れてるだけだと思う。全然大丈夫だよ、ありがとう。』

「なんかあったらすぐ俺に言ってね!一番最初に俺を頼ってね!?」

『はいはい分かったよ笑』

「ごらクソ川ァ!朝から絡むんじゃねぇボケ!」

「ったぁ!!叩くことないじゃん!?」

『おはよう岩泉』

「はよ、体調大丈夫かよ」

『あれ、岩泉まで。大丈夫だよありがと。』

「んならいーわ。あんま無理すんなよ」

『はあい』

不器用な岩ちゃんだって心配してる。
言葉にして気にかけるまでだいぶかかったなぁ。
岩ちゃんてほら、黙ってついてこいタイプだから。

『及川』

「はあい!」

『毎晩頼んでおいてあれなんだけどさ…ちゃんと寝れてる?』

「ええ!俺の心配してくれてるの!?
大丈夫だよ!ありがと〜♡」

『そっか、良かった。』

ちゃんが俺に優しい言葉をかけてくれるまでもだいぶ時間がかかったように思う。冷たくあしらわれてばっかりだったからなぁ。嫌われてるんじゃないかと思った時期もあったし。

「おらクソ川朝ラン行くぞ」

「わあかってるって!いたた!もう!」

ぐいぐいと引っ張られていく俺を見て呆れたように笑うちゃん。笑顔を見るたび、あぁ好きだなって思う。彼女の笑顔の理由になりたいと思う。
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