第15章 青の日々 (及川徹)
4日目にして気づいたことがある。
それはちゃんが食べるご飯の量。華奢な彼女のどこに入っていくのだろうかと不思議なくらいに食べる。俺たちと同じくらい食べてるんじゃなかろうか。学校生活じゃ気が付かなかったな…。
だって学校にもって来てるお弁当箱めっちゃ小さいんだよほんとに。それ足りる?ってぐらい小さいのに。
「あ、ねぇちゃん…?」
『ん?』
「いつもお家でこのくらい食べるの?」
『あー、うん。意外かな?』
「いや!ほらちゃん細いからさ。どこにはこんな量入ってくのかなあって不思議ではある、かな。それにお弁当いつも小さいイメージあって。」
『食べるの好きなの。お弁当は大きいと重いから小さいだけだよ。』
「そっか!俺いっぱい食べる女の子好き!あ、いや、ちゃんだけが好きだけどね!?」
『ありがとーね。でも早く食べないと岩泉に怒られるよ』
「…っうぃっす!」
テーブルを挟んで目の前に座る岩ちゃんが早く食えと言わんばかりの視線を送ってくる。
「た、食べてるじゃん…っ!」
「あ?なんも言ってねぇだろうがよ」
『岩泉、これ』
「ん?あ、こら今日は食え」
『…やだ。』
「やだ!?」
サラダに入っているオクラを指さして岩ちゃんに視線を送るちゃん。ネバネバが嫌なんだって。それを今日まで3日間食べてあげてた岩ちゃんは今日こそ食べろと粘る。
「いーじゃん嫌いな食べ物くらいあるって、な?ちゃん。」
横から伸びてきた箸がちゃんのサラダからオクラをひょいっと摘んで消えた。
『ありがと松川くん』
「こら甘やかすな松川!」
「岩泉怖いねぇ?いじめられたらいつでも俺のとこおいでー。」
「俺もいるよ〜」
「ちょっとまっつん!まっきー!ちゃんは俺のなの!」
ちょっと油断するとこれだよ!
特にまっつんは距離感いやらしいから注意!!
「束縛男は嫌われるぞ及川〜」
「まっきーに言われたって説得力ないし〜!」
「だぁれが彼女いない歴=年齢だよ!やかましいわ!」
「そこまで言ってないってば!」
ガヤガヤと言い合う俺たちを横目にもくもくとご飯を食べるちゃんと岩ちゃん。俺も早く食べなきゃ怒られるのに…!!