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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



角名くんのうしろにいる私をじーっと見つめて小さなため息をひとつ吐いた侑くん。

「可哀想やなほんまにずっと着せられてぇ…そのうち目あかんくなるかもしらんでほんまぁ」

「誰が目細いだよ怒るよ。それにちゃんのきゅるきゅるおめめは俺のジャージ着たって変わんないから…!」

きゅるきゅるおめめ…そんなふうに思ってたんだ。なんて考える余裕が少し生まれるくらいになった。侑くんのおかげだな。あとでちゃんとお礼しなきゃ。

女の子たちは角名くんから侑くんへと抗議の対象を変えた。

「やめとき、やめとき。角名はちゃんしか見えとらんからそない付きまとったところで嫌われるだけやで?角名女の子あんま興味あらへんねん元から。」

侑くんの言葉に少し違和感を覚える。
だってそれってまるで…

「侑…」

「ん?ちょお待ってや、今俺が解決したるから。角名が毎日毎日自分のジャージ着せとるん知っとるやんな。そゆことやねん。ちゃんのこと好きになったん最近ちゃうしな。ずっと前からやから無理やでほんっまに。なあ角名?」

「侑…分かった。ありがとう。もう大丈夫分かった。」

こんなの…私にだってわかる。
ずっとっていつから…?
だって1年は離れてたのに。

角名くんの背中をただ見つめることしか出来ない。

「あの、ちゃん…これは…っ」

気まずそうに私の名前を呼んだ角名くんがゆっくりと振り返る。

『えと、うん…大丈夫…っ気にしてないから!』

気にしてない。気にしない。
きっとなにかの冗談。
男の子同士のノリ…だよねきっと。

「え、いや気にしてくれた方が…俺は嬉しいんだけど。」

『えっ、と…あの、私…先にいくね!』

真剣な顔をした角名くんの目を見れなくてスクイズのカゴを手に駆け出した。女の子たちの存在はいつの間に忘れてて、その後どうなかったかは分からない。

その後から角名くんは振り切れたような態度で今に至る。まさか連日お邪魔するなんて思ってなかったな。
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