第3章 初恋 (佐野万次郎)
やっぱりお風呂に入ると言って、しばらくしてから部屋着に身を包んだがリビングへ戻ってきた。風呂上がりのってこんな色っぽかったっけ…2人きりってだけでこんなに意識しちゃう自分がダサすぎて嫌になる。
『ふぅ〜万次郎くんも入っちゃえば?』
「うん、そーするわ」
雑念を払うように頭から熱いシャワーを浴びる
今夜は2人きり…そう思っただけでなんでだよ…
元気すぎる自分の下半身が憎い。だけど俺だけ意識してるなんてなんか悔しくて抜かずに風呂を出た。まさかこれをすぐ後悔することになるなんて…。
「あがったあ〜」
『おー、はやかったねえ〜
ねえこっち来てここ座って!』
ポンポンとソファを叩いて隣に座るよう言ってくるから素直にの隣に腰を下ろした。
「はい、お隣来ましたよ」
『はあ〜おちつく。
万次郎くんの匂いって落ち着くよね
この匂いすっごい好きだなあ〜』
俺の首に腕を絡ませてスウェットに
鼻を擦り寄せてくるに
昨日の夜のことを思いだした。
「…それ昨日の夜もしてたよ」
『え…うそ!変なことしてなかった…?』
「んーとね」
絡みついている細い腕を掴んでを組み敷く。驚いた顔してる。俺も昨日そんな顔してたのかな。
『な…なに万次郎くん』
「こーやってに押し倒された」
押し倒したのは俺だけどに抱きつかれてバランス崩したんだから少しの嘘くらい許して欲しい。
『へ…?わ、わたしが万次郎くんのこと?』
「うん、俺に食われんのかと思ったわ」
『うそ…ホントごめんなさい…っ!
嫌だったよね…ごめんね万次郎くん』
「んー、でも途中て真一郎が来たからさ」
『え…真ちゃんがきたの…?
みら…見られたの…?』
「真一郎には見られてないよ、大丈夫だよ」
『そっ…か。』
「お預けくらっちゃったからさ…続き教えてよ…。押し倒して、その後は何してくれるの?」
分かりやすく動揺し始めたを見ても、さっき風呂で我慢したせいで困った顔さえ興奮材料にしかならねえ。
『ま…んじろーくん…っ?』
大きな瞳が濡れていくのが見て分かる。
はあ…くそかわいい。たまんねえ。