第3章 初恋 (佐野万次郎)
「…かわいい」
『何言って…るの?』
今にもこぼれ落ちそうに瞳を濡らしているを見つめてから吸い込まれるようにキスをおとした。
『ふ…っ万次郎く…んっだめ!』
「んは…どうして…?
俺の事嫌いになった?」
『そんなわけないでしょ大好きだよ万次郎くん
だけどこれはやったらいけないよ?』
「…真一郎がいるから?
弟とはそんなことできない?」
『そうね。真ちゃんが悲しむよ。
万次郎くんだって…はじめては好きな女の子としないと。今勢いで私としたって後悔するよ?』
勢い…?俺がそんな男に見えてるの?
好きで好きでどうしようもなくて
俺の初めて全部に貰って欲しくて
なのに後悔なんて…するわけねんだよ。
「…には俺が勢いでそんなことする奴に見えてんだ?」
『え…?』
「勢いで…誰にでもするわけねえだろ…っ
俺は…俺はずっと…ずっとずっと…。
しか見てなかったんだよ」
『万次郎くん…それ…ほんと?』
「嘘なわけねえじゃん…。
ちっせえ頃からずっと…だけが特別な女の子で。なのに真一郎の彼女になんて…なるなよ…。俺すっげえ辛いよ。この家で毎日…だけどそれ以上に好きだから…困らせたくなかったのに。」
『ごめ…全然気づかなかったな…。』
「だって鈍感だもん。
なあ…真一郎やめて俺にしよーよ?」
『そんなんできるわけ…ないよ。』
「そっか…じゃあ俺が欲しくて仕方なくしてあげる。」
『ちょ…っと万次郎くん…ッンン!』
噛み付くように何度もキスをする。
「ん…は、…好き…好きだよ」
『んん…まんじ…ろぉくん…っアッ』
「声…可愛い…いっぱい聞きたい…っ」
のスウェットの中に手を滑らせて素肌を撫でればもう一度聞こえてくる甘い声。夢にまでみた俺で感じるが今ここにいる。
『だ…め手…抜いて…っ』
開いた口に舌を割り入れてクチュクチュとわざと音をたてながら深い深いキスをた。キスだけでイきそうとか絶対嘘って思ってたけどマジだな。
「んは…っまんじろ…くん熱い…っ」
キスに気を取られているのスウェットを一気に捲って下着を露にするとさっき買った黒のレースを着ている。