第3章 初恋 (佐野万次郎)
そういえば前に買ってきてそのままにしてたイチゴのお酒…あ、あった。いつまでも放置しちゃいそうだし飲むかぁ。明日休みだし。
『…っおいしい!わーまた買お!』
んー、もう飲み終わってしまった…
とりあえず流しに置いとくか。
明日片付けよーっと。
15分くらい経ってウトウトしていると
リビングのドアの開く音がした。
『あれ…真ちゃん…?』
「真一郎じゃなくてわりぃな」
『万次郎くんだあ〜』
「なに眠いの?部屋行きなよ?」
『んーん。真ちゃんがここで待っとけって
ワカくんとお電話してるからまってるの。』
「ふーん、じゃあ真一郎が戻るまで一緒にいてやる
でももしが寝たらその時は部屋運ぶな?」
『んー。わかったあ。』
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sideマイキー
風呂から上がってリビングに行くとが1人でソファに座ってた。とろんとした目で座ってた。ドアの音に反応して真一郎と間違えてたけど、俺を視界に捉えるなり『万次郎くんだあ〜』ってふにゃふにゃの笑顔を見せてくれた。眠たそうな顔。ちょーかわいい。
真一郎がワカくんと電話してるから待ってるか。
まああいつ電話なげえしすぐは戻ってこないだろ。
つか待たせないで寝かせてやれよバカ真一郎。
「ねえー」
『んー?』
「真一郎のこと好き?」
『真ちゃんのこと?
うん、好きだよ。凄く好き。えへへ』
「…っだよな」
なに自爆してんだよ俺。
あー…分かってたのに聞かなきゃ良かった。
『んーふふ、万次郎くんもだあいすきだよ』
「…っふ、そっか。俺も大好きだよ」
俺と同じ好きじゃないって分かってんのに
からの好きは全部特別なんだよな。
『ん…。』
「…?寝てんのか?…酒くさ。
は?飲んだの?おい起きろよーっ」
『んーー眠たい万次郎くーん。』
「うん眠いな、じゃなくて酒飲んだのかって聞いてんの!弱いんだからやめとけっていったよなあ?おーいよっぱらーい!」
『だけど…イチゴの見つけたんだもん。
おいしかったよ…?万次郎くん怒んないでえ』
「…っ怒ってねえけどさあ。」
くっそ…可愛いな怒るに怒れねえじゃんズリいよ。