第13章 お気に入り(松野千冬)
「3名様お待たせいたしました〜」
『はーい!』
俺から離れたさんはケロッとしていて、さっきの表情は見間違えだったのだろうか。
『何食べようかなあ。千冬くん何食べる?』
「俺ここ来たことなくて、オススメあります?」
『そしたら辛いやつ美味しいよ!』
「結構辛いすか?」
『うーん、ピリ辛くらい??』
「じゃそれにしよーっと」
せっかくさんが勧めてくれたし食べてみよ。彼女は辛いラーメンにチーズトッピングをするらしい。場地さんは豚骨。3人で飯を食うのは何度目だろう。ちゃっかり俺とさんを隣に座らせてくれる場地さんの気遣いがありがたい。
『んー!やっぱり美味しい!』
「お嬢様ちゃん可愛いのにいい食いっぷりだねえ!」
『だあって美味しいもん!よ!日本一!』
「おー!おっちゃん気分いいから餃子プレゼント!たくさん食えよ!」
『やったあ!ありがとー!』
ラーメン屋のおっちゃんまで虜にしてどうするんすか。おかげで俺も餃子貰えたけど。
『餃子もおいっしー』
「良かった良かった」
にしてもここのラーメンまじでうまいな。ハマりそう。
「さんと場地さんはよくここ来るんすか?」
「あーまあ、がラーメン食いたくて発作起こすからな笑」
『発作なんて起こしてないでしょ!?』
「あー?発作みてえなもんだろ。ラーメン食わなきゃ死ぬって暴れ回んのマジやめろよなあ〜」
やっぱりさんは場地さんと1番仲がいいんだな。マイキーくんでも三途でも他の創立メンバーでもない。どこにいくにもさんは必ず場地さんを誘う。いいな…。
『あのね千冬くん、圭介こんな言い方してるけど1回も断らず着いてきてくれるんだよ優しいよね』
「うっせ、早く食えよ。」
「俺だって着いていくっすよ!」
『ほんと?じゃあ今度からは千冬くんもさーそおっと!』
これからはあなたの選択肢に俺をいれて。
そんでいつか…好きになってよ。